【作品】( ^ω^)ブーンがアスファルトを武器に戦うようです
1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2009/02/20(金) 18:43:08.05 ID:O5N7KTPrO
( ^ω^)ブローン・アスファルト
3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2009/02/20(金) 18:45:22.13 ID:uUQAxA6zO
こんなスレタイで笑っちまった
33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2009/02/20(金) 19:58:22.96 ID:hGCWClrt0
久しぶりに面白そうなスレタイを見つけたのに釣りとな!?
( ^ω^)ブローン・アスファルト
3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2009/02/20(金) 18:45:22.13 ID:uUQAxA6zO
こんなスレタイで笑っちまった
33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2009/02/20(金) 19:58:22.96 ID:hGCWClrt0
久しぶりに面白そうなスレタイを見つけたのに釣りとな!?
36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2009/02/20(金) 20:42:28.05 ID:DZgJKhlz0
――二日後――
――シャッフル城周辺(シャッフル城まで二里)――
オオカミ軍は、シャッフル城の東と西に布陣していた。
この辺りもやはり地面は悪く、山も多い。深い森を伴った山だ。
トーエー川も近かった。さすがに此度の戦では使ってこないだろうが、オオカミの水軍は他の二国とは比較にならないほどの精鋭だ。
もし水軍を使った戦になれば、敗戦の可能性は大幅に高まるだろう。
シャッフル城の南、二里の位置にまで迫った。
オオカミ軍が何故、南に布陣していないのか。それに対しては、ショボンやモララーも首を捻っていた。
(´・ω・`)「城に近づけるのはありがたいんだが……分からんな」
( ・∀・)「敵の策に乗せられているようで、なーんとなく癪ですね。
まぁ、城の近くなら、隙あらば城内に攻め込めますし、良しとしましょう」
隊を整えた。
整然としたヴィップ軍を、シャッフル城の城壁から眺めているオオカミ兵がいる。
また、不安が胸に去来した。
37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2009/02/20(金) 20:46:19.44 ID:DZgJKhlz0
胸騒ぎとなって総身に響く。視界が揺らぐほどに。
もう春なのに、寒気がする。なんなのだ、これは。
消えろ、消えろ。
戦が始まるのだ。こんなわけの分からない胸騒ぎに乱されて、たまるか。
頬を何度も叩いた。それでも、情景が薄暗く見える。
何も気にするな。何度も自分に言い聞かせた。
背筋を伸ばして、直立する。前をしっかり見据えた。
全軍の前に立っているのは、ショボンとモララーだ。
戦前の発破を、今回はモララーがやるのだという。
( ・∀・)「シャッフル城を奪えば、トーエー川の東端を手中に収めることができる」
モララーが声を発し始めた。
いつもより少し低い。全軍に届くよう大声を出しているため、そうなっているのだろう。
( ・∀・)「南のマリミテ城を攻めるときに、エヴァ城を奪われる心配することもなくなる。
戦略的に、今後のヴィップにとって重要な城だ。ここを奪えばマリミテ城戦が楽になる。
オオカミ軍は数を恃みにしているが、ヴィップにはアスファルトの強みがある」
モララーがアスファルトを掲げた。
光り輝くストレート・アスファルトの表面。相変わらず、綺麗なアスファルトだ。
( ・∀・)「迷うことなく振るえ! 惑うことなく戦え! この戦をっ……」
――――それは、まさに不意だった。
40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2009/02/20(金) 20:51:24.90 ID:DZgJKhlz0
モララーの言葉が途切れた瞬間、時が止まったと思った。
同時に、今まで感じていた不安や悪寒の原因が、分かった。
モララーの頭上に降り注いだのは、瓦礫。
砕け散った、ストレート・アスファルトの破片だった。
(;・∀・)「はっ……!?」
地面に、何かが突き刺さった。
呆然としていて、わけが分からなくて、突き刺さったものも最初は理解できなかった。
そして正体が分かっても、何故そこに刺さっているのか、誰にも分からなかった。
何故、ここにアスファルトが刺さっているのか。
何故、モララーのストレート・アスファルトが砕けたのか。
答えは一つしかない。
だが、信じられなかった。
(;´・ω・)「そんな……バカな……!!」
ヴィップ兵の視線すべてが、シャッフル城の城壁に注がれた。
二里離れている。それでも、はっきりと分かる。
映し出された、アスファルトのシルエット。
間違いなく、舗装用改質アスファルトだった。
41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2009/02/20(金) 20:56:55.15 ID:DZgJKhlz0
(;・∀・)「舗装用改質アスファルト……だと……!?」
(;´・ω・)「……そんな……まさか……!
舗装用改質アスファルトを……使える……のは……」
誰も、いなかったはずだ。
しかし、もしいるとしたら。いるとしたら――――
――――ベル=リミナリー。
それ以外、ありえなかった。
(;´・ω・)「何故……ベルが……!?」
(;・∀・)「ベルが……生きていた……!?」
白の混じった金髪、通った鼻筋、他を威圧するような瞳。
ブーンが最初に戦った相手と、酷似している。
しかし、今度は偽者ではない。
紛れもなく、ベル=リミナリー本人だった。
42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2009/02/20(金) 20:58:50.86 ID:3hjPKNzaO
なにを良スレにしてるんだお前ら・・・
43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2009/02/20(金) 21:01:38.50 ID:DZgJKhlz0
生きていること。オオカミ軍にいること。舗装用改質アスファルトを操っていること。
その全てが、分からなかった。
第22話 終わり
~to be continued
――シャッフル城・城壁――
(`∠´)「なぜストレート・アスファルトが砕けたのか?
それは、ゴム、熱可塑性エラストマー、熱可塑性樹脂が加わっていなかったからだ」
44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2009/02/20(金) 21:08:16.13 ID:DZgJKhlz0
(´・ω・`)「何……だと……!?」
(;・∀・)「馬鹿なことを言うんじゃねーよ!
俺のアスコン(アスファルト・コンクリートの略)は、
トリニダード・トバゴ産の純度が高いアスファルトを使用しているんだぞ!!」
(´・ω・`)「その通りだ。
トリニダード・トバゴでは天然のアスファルトが噴出し、なんと湖を形成するという程だ」
(`∠´)「……甘いな。それでは貴様、アスファルトに何を混合してアスコンを製造している」
(;・∀・)「はっ? そりゃあ、ふつー骨材とかフィラーだろ。
俺のだけは、骨材に少し融解スラグも入れているが」
(#`∠´)「かーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーつ!!」
46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2009/02/20(金) 21:13:51.14 ID:L2e9Pk9O0
やばい、おもしろい
47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2009/02/20(金) 21:15:06.61 ID:DZgJKhlz0
(#`∠´)「それでは普通のアスコンと大差ないだろうが!!
だから貴様らの舗装道路は流動、わだち、ひび割れなどが起こるのだ!!」
(;´・ω・`)「なに……!?」
(#`∠´)「特に熱可塑性エラストマーは改質アスファルトの殆どに使用されているんだぞ!!
これを混合せずして何を混合するんだ!!」
(;・∀・)「お、おい! なんだ、その熱可塑性エラストマーってのは」
(#`∠´)「熱可塑性エラストマーを知らんだと!!」
(`∠´)「……」
(`∠´)「熱可塑性エラストマー……それは、プラスチックとゴムの中間の性質を持つ夢の素材!!
ゴムのように軟らかく、プラスチックのような簡単な加工を可能とする!!」
(;・∀・)(;´・ω・`)「ご、ゴクリ……」
48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2009/02/20(金) 21:17:20.82 ID:MScOae910
神スレ化の予感
49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2009/02/20(金) 21:21:24.13 ID:DZgJKhlz0
(`∠´)「これが加わるだけでも恐ろしいというのに、
耐流動用材料の熱可塑性樹脂、
改質アスファルトI型とII型の混合の主流である、
ゴム(クロロプレンゴム、天然ゴム等)が入るんだぞ……」
(;・∀・)「ぐぐぐ……そ、想像できない領域の強度だぜ」
(;´・ω・`)「しかし、ヴィップのアスファルトは純度をウリに頑張ってきたんだぞ!!
今更、余計な添加物を混合するなど、邪道もいいところだ!!」
(;・∀・)「そ、そうだそうだ!!」
(`∠´)「ブローイング」
(;・∀・)「・・・え・・・!?」
50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2009/02/20(金) 21:22:59.10 ID:hGCWClrt0
なんて勉強になるスレなんだ・・・!
51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2009/02/20(金) 21:24:00.34 ID:DZgJKhlz0
(`∠´)「セミブローン・アスファルトです。」
(;・∀・)「・・・う、うわあ・・・ああ・・・ああああああああああ(イスから転げ落ちる)」
(`∠´)「どうかしましたか?」
(;・∀・)「ああ、あふゥッ・・・ひいいい・・ガクガク(足が震える)」
(^∠^)「やだなあ、そんなにびびらないで下さいよ。ちょっと軟化点を高くしたものですから^^」
( ;∀;)「ああ・・あ・うんっ・ああ・・・ビクンビクン(小水を漏らす)」
(`∠´)「ちなみに、加熱したストレート・アスファルトに軽く高温の空気を吹き込むだけです」
( ;∀;)「あんっ!ああん・・らめ・・・もうらめえ!ビクンビクン(射精する)」
52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2009/02/20(金) 21:24:17.79 ID:T9HbUpSdO
一気にスレの質が上がった。
wktk
53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2009/02/20(金) 21:25:19.37 ID:dR+ThRHCO
アスファ最高すぎるwwwwww
54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2009/02/20(金) 21:30:19.07 ID:hGCWClrt0
セミブローン・アスファルトつえええええええええええええええええ!!!!
55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2009/02/20(金) 21:30:58.99 ID:MScOae910
>>( ;∀;)「あんっ!ああん・・らめ・・・もうらめえ!ビクンビクン(射精する)」
クソ吹いたwwwww
56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2009/02/20(金) 21:36:28.04 ID:DZgJKhlz0
(`∠´)「分かったか! 何も加えずとも、舗装道路の破損を防ぐアスファルトを製造する事は出来る!!」
(;・∀・)(;´・ω・`)「ははーっ!!」
(#`∠´)「歩道によくある、木の根などで盛り上がったアスファルト。あれは駄目だ。アスファルトとも呼べん!
自転車で通るとき、すごいデコボコしてて通りづらいんだよ!! あの並木道!! 死ね!」
(;・∀・)(;´・ω・`)「へへーっ!!」
(`∠´)「俺がわざわざ生き永らえてまで伝えたかったのは、そういう事なのだ」
(;´・ω・`)「な、なに……」
(`∠´)「道行く人を気持ちよくほど整えられたアスファルト。
ショボン、お前には、それを製造する技術がある」
(´・ω・`)「……」
(`∠´)「お前は良い土方になる。
最期の相手として選んだんだ。ガッカリさせるんじゃないぞ」
(´・ω・`)「……はい」
57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2009/02/20(金) 21:39:09.54 ID:DZgJKhlz0
誤字です
×(`∠´)「道行く人を気持ちよくほど整えられたアスファルト。
ショボン、お前には、それを製造する技術がある」
○(`∠´)「道行く人を気持ちよくするほど整えられたアスファルト。
ショボン、お前には、それを製造する技術がある」
58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2009/02/20(金) 21:40:29.45 ID:A1/WQJvj0
いいぞ、もっとやれ
59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2009/02/20(金) 21:41:08.21 ID:DZgJKhlz0
(`∠´)「ふふ……。
おお!! あんな所にひび割れたアスファルトが!!
よーし、お前ら!! 早速舗装工事に入るぞ!!」
(´・ω・`)( ;∀;)「はい!」
(`∠´)「いくぞおおお!!!」
スコップを、思い切り持った。
(#`∠´)「うおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!」
右腕が、軽くなった。
60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2009/02/20(金) 21:43:07.51 ID:DZgJKhlz0
(;゚д゚)「ッ……!!」
そして視界に移ったのは、城壁を滑り落ちていく、スコップと舗装用改質アスファルト。
無残、そして、無情。
長き四十九年が、終わった。
(;`∠´)「……無念……」
ゆっくりと手を引かれるようにして、後ろへと、重心が傾いていく。
もう、どこにも力が入らない。
これが死の力なのか、と感じた。
誰の支えもなくやってきた、この人生。
悪いものではなかった。よくやった、と自分に言ってやりたかった。
しかし、もはや口にすら力が入らない。
アスファルトが光っていた。
今から、行ってやる。今度こそ、行ってやる。
待っていろ。
やはり、声にはならない。
61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2009/02/20(金) 21:45:46.99 ID:DZgJKhlz0
後ろへと倒れこむ自分の体を、アスファルトが支えてくれた。
涙が、溢れた。アスファルトも滲むほどに。
しかし、体に感じたのは、アスファルトの冷たさだった。
視界は一度暗くなり、そして、真っ白になった。
最後の言葉を言おうとしたが、やはりどうしても、声にはならなかった。
(`∠´)「アスファルトは用法、用量を守って正しく舗装してね!!」
第23話 終わり
~to be continued
63 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2009/02/20(金) 21:46:54.25 ID:hGCWClrt0
( ;∀;) イイハナシダナー
64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2009/02/20(金) 21:50:07.13 ID:L2e9Pk9O0
何でこの人はこんなにも詳しいんだwwww
65 名前:予告:2009/02/20(金) 22:02:43.16 ID:DZgJKhlz0
( ゚д゚)(……今はラウンジよりヴィップだな……)
ついに動く―――オオカミのカットバック・アスファルトこと、ミルナ=クォッチ―――!
《 ´_‥`》「ミルナ大将、また考え事ですか?」
| `゚ -゚|「軍議は行わないのですか、ミルナ大将」
――――そして、それを支える鉄壁の4乳剤――――
対するは――――
ショボンが、笑った。
(´・ω・`)「いい策だ。それでいこう」
(;・∀・)「ちょっと待って下さい! 本気ですか!?」
(´・ω・`)「あぁ、至って本気だ」
(;・∀・)「馬鹿げています! 失敗したら確実に……例え成功してもひび割れるかも知れないんですよ!?」
(´・ω・`)「それが舗装だろう、モララー」
ヴィップの舗装案とは? 4乳剤へのミルナの懸念とは?
激動のシャッフル城舗装戦が始まる――――!!
ブーンがアスファルトを武器に戦うようです 第二十四話 3009年、始動!!
66 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2009/02/20(金) 22:03:52.21 ID:kguTrKU+O
始動するの早過ぎワロタwwwww
67 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2009/02/20(金) 22:03:56.11 ID:JFiy5ygVO
千年後wwwwww
68 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2009/02/20(金) 22:04:05.04 ID:DZgJKhlz0
第23話は以上です、ありがとうございました
69 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2009/02/20(金) 22:05:03.79 ID:M3YfExMhO
10世紀後……だと…
70 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2009/02/20(金) 22:05:09.00 ID:dR+ThRHCO
このショボンは裏切りそうにねえwwwwwwwww
71 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2009/02/20(金) 22:06:50.77 ID:A1/WQJvj0
乙www何普通に投下しました的な態度なんだよwww
72 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2009/02/20(金) 22:08:49.67 ID:DFr4erSh0
乙
次回は3009年か、楽しみだ
73 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2009/02/20(金) 22:09:05.66 ID:jpZW1wLh0
しかし乙
74 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2009/02/20(金) 22:10:28.36 ID:JFiy5ygVO
乙www
75 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2009/02/20(金) 22:11:55.32 ID:dR+ThRHCO
おつ
1000年後の人まで語り継ぐよ
76 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2009/02/20(金) 22:17:34.76 ID:FWUxCMBIO
なんという良改変wwwwww
( ^ω^)ブーンがアスファルトを武器に戦うようです
http://www7.atpages.jp/~mesimarja/boon/exec/dat2html.php?dat=1235122988
関連作
( ^ω^)ブーンがアロンアルファを武器に戦うようです
http://lamigraine.blog.2nt.com/blog-entry-131.html
( ^ω^)ブーンがアルベロベッロ・ベロウ、んベロベロ!ようです
http://lamigraine.blog.2nt.com/blog-entry-133.html
( ^ω^)はアナルファベットを武器に戦うようです
http://lamigraine.blog.2nt.com/blog-entry-134.html
――二日後――
――シャッフル城周辺(シャッフル城まで二里)――
オオカミ軍は、シャッフル城の東と西に布陣していた。
この辺りもやはり地面は悪く、山も多い。深い森を伴った山だ。
トーエー川も近かった。さすがに此度の戦では使ってこないだろうが、オオカミの水軍は他の二国とは比較にならないほどの精鋭だ。
もし水軍を使った戦になれば、敗戦の可能性は大幅に高まるだろう。
シャッフル城の南、二里の位置にまで迫った。
オオカミ軍が何故、南に布陣していないのか。それに対しては、ショボンやモララーも首を捻っていた。
(´・ω・`)「城に近づけるのはありがたいんだが……分からんな」
( ・∀・)「敵の策に乗せられているようで、なーんとなく癪ですね。
まぁ、城の近くなら、隙あらば城内に攻め込めますし、良しとしましょう」
隊を整えた。
整然としたヴィップ軍を、シャッフル城の城壁から眺めているオオカミ兵がいる。
また、不安が胸に去来した。
37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2009/02/20(金) 20:46:19.44 ID:DZgJKhlz0
胸騒ぎとなって総身に響く。視界が揺らぐほどに。
もう春なのに、寒気がする。なんなのだ、これは。
消えろ、消えろ。
戦が始まるのだ。こんなわけの分からない胸騒ぎに乱されて、たまるか。
頬を何度も叩いた。それでも、情景が薄暗く見える。
何も気にするな。何度も自分に言い聞かせた。
背筋を伸ばして、直立する。前をしっかり見据えた。
全軍の前に立っているのは、ショボンとモララーだ。
戦前の発破を、今回はモララーがやるのだという。
( ・∀・)「シャッフル城を奪えば、トーエー川の東端を手中に収めることができる」
モララーが声を発し始めた。
いつもより少し低い。全軍に届くよう大声を出しているため、そうなっているのだろう。
( ・∀・)「南のマリミテ城を攻めるときに、エヴァ城を奪われる心配することもなくなる。
戦略的に、今後のヴィップにとって重要な城だ。ここを奪えばマリミテ城戦が楽になる。
オオカミ軍は数を恃みにしているが、ヴィップにはアスファルトの強みがある」
モララーがアスファルトを掲げた。
光り輝くストレート・アスファルトの表面。相変わらず、綺麗なアスファルトだ。
( ・∀・)「迷うことなく振るえ! 惑うことなく戦え! この戦をっ……」
――――それは、まさに不意だった。
40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2009/02/20(金) 20:51:24.90 ID:DZgJKhlz0
モララーの言葉が途切れた瞬間、時が止まったと思った。
同時に、今まで感じていた不安や悪寒の原因が、分かった。
モララーの頭上に降り注いだのは、瓦礫。
砕け散った、ストレート・アスファルトの破片だった。
(;・∀・)「はっ……!?」
地面に、何かが突き刺さった。
呆然としていて、わけが分からなくて、突き刺さったものも最初は理解できなかった。
そして正体が分かっても、何故そこに刺さっているのか、誰にも分からなかった。
何故、ここにアスファルトが刺さっているのか。
何故、モララーのストレート・アスファルトが砕けたのか。
答えは一つしかない。
だが、信じられなかった。
(;´・ω・)「そんな……バカな……!!」
ヴィップ兵の視線すべてが、シャッフル城の城壁に注がれた。
二里離れている。それでも、はっきりと分かる。
映し出された、アスファルトのシルエット。
間違いなく、舗装用改質アスファルトだった。
41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2009/02/20(金) 20:56:55.15 ID:DZgJKhlz0
(;・∀・)「舗装用改質アスファルト……だと……!?」
(;´・ω・)「……そんな……まさか……!
舗装用改質アスファルトを……使える……のは……」
誰も、いなかったはずだ。
しかし、もしいるとしたら。いるとしたら――――
――――ベル=リミナリー。
それ以外、ありえなかった。
(;´・ω・)「何故……ベルが……!?」
(;・∀・)「ベルが……生きていた……!?」
白の混じった金髪、通った鼻筋、他を威圧するような瞳。
ブーンが最初に戦った相手と、酷似している。
しかし、今度は偽者ではない。
紛れもなく、ベル=リミナリー本人だった。
42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2009/02/20(金) 20:58:50.86 ID:3hjPKNzaO
なにを良スレにしてるんだお前ら・・・
43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2009/02/20(金) 21:01:38.50 ID:DZgJKhlz0
生きていること。オオカミ軍にいること。舗装用改質アスファルトを操っていること。
その全てが、分からなかった。
第22話 終わり
~to be continued
――シャッフル城・城壁――
(`∠´)「なぜストレート・アスファルトが砕けたのか?
それは、ゴム、熱可塑性エラストマー、熱可塑性樹脂が加わっていなかったからだ」
44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2009/02/20(金) 21:08:16.13 ID:DZgJKhlz0
(´・ω・`)「何……だと……!?」
(;・∀・)「馬鹿なことを言うんじゃねーよ!
俺のアスコン(アスファルト・コンクリートの略)は、
トリニダード・トバゴ産の純度が高いアスファルトを使用しているんだぞ!!」
(´・ω・`)「その通りだ。
トリニダード・トバゴでは天然のアスファルトが噴出し、なんと湖を形成するという程だ」
(`∠´)「……甘いな。それでは貴様、アスファルトに何を混合してアスコンを製造している」
(;・∀・)「はっ? そりゃあ、ふつー骨材とかフィラーだろ。
俺のだけは、骨材に少し融解スラグも入れているが」
(#`∠´)「かーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーつ!!」
46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2009/02/20(金) 21:13:51.14 ID:L2e9Pk9O0
やばい、おもしろい
47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2009/02/20(金) 21:15:06.61 ID:DZgJKhlz0
(#`∠´)「それでは普通のアスコンと大差ないだろうが!!
だから貴様らの舗装道路は流動、わだち、ひび割れなどが起こるのだ!!」
(;´・ω・`)「なに……!?」
(#`∠´)「特に熱可塑性エラストマーは改質アスファルトの殆どに使用されているんだぞ!!
これを混合せずして何を混合するんだ!!」
(;・∀・)「お、おい! なんだ、その熱可塑性エラストマーってのは」
(#`∠´)「熱可塑性エラストマーを知らんだと!!」
(`∠´)「……」
(`∠´)「熱可塑性エラストマー……それは、プラスチックとゴムの中間の性質を持つ夢の素材!!
ゴムのように軟らかく、プラスチックのような簡単な加工を可能とする!!」
(;・∀・)(;´・ω・`)「ご、ゴクリ……」
48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2009/02/20(金) 21:17:20.82 ID:MScOae910
神スレ化の予感
49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2009/02/20(金) 21:21:24.13 ID:DZgJKhlz0
(`∠´)「これが加わるだけでも恐ろしいというのに、
耐流動用材料の熱可塑性樹脂、
改質アスファルトI型とII型の混合の主流である、
ゴム(クロロプレンゴム、天然ゴム等)が入るんだぞ……」
(;・∀・)「ぐぐぐ……そ、想像できない領域の強度だぜ」
(;´・ω・`)「しかし、ヴィップのアスファルトは純度をウリに頑張ってきたんだぞ!!
今更、余計な添加物を混合するなど、邪道もいいところだ!!」
(;・∀・)「そ、そうだそうだ!!」
(`∠´)「ブローイング」
(;・∀・)「・・・え・・・!?」
50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2009/02/20(金) 21:22:59.10 ID:hGCWClrt0
なんて勉強になるスレなんだ・・・!
51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2009/02/20(金) 21:24:00.34 ID:DZgJKhlz0
(`∠´)「セミブローン・アスファルトです。」
(;・∀・)「・・・う、うわあ・・・ああ・・・ああああああああああ(イスから転げ落ちる)」
(`∠´)「どうかしましたか?」
(;・∀・)「ああ、あふゥッ・・・ひいいい・・ガクガク(足が震える)」
(^∠^)「やだなあ、そんなにびびらないで下さいよ。ちょっと軟化点を高くしたものですから^^」
( ;∀;)「ああ・・あ・うんっ・ああ・・・ビクンビクン(小水を漏らす)」
(`∠´)「ちなみに、加熱したストレート・アスファルトに軽く高温の空気を吹き込むだけです」
( ;∀;)「あんっ!ああん・・らめ・・・もうらめえ!ビクンビクン(射精する)」
52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2009/02/20(金) 21:24:17.79 ID:T9HbUpSdO
一気にスレの質が上がった。
wktk
53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2009/02/20(金) 21:25:19.37 ID:dR+ThRHCO
アスファ最高すぎるwwwwww
54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2009/02/20(金) 21:30:19.07 ID:hGCWClrt0
セミブローン・アスファルトつえええええええええええええええええ!!!!
55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2009/02/20(金) 21:30:58.99 ID:MScOae910
>>( ;∀;)「あんっ!ああん・・らめ・・・もうらめえ!ビクンビクン(射精する)」
クソ吹いたwwwww
56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2009/02/20(金) 21:36:28.04 ID:DZgJKhlz0
(`∠´)「分かったか! 何も加えずとも、舗装道路の破損を防ぐアスファルトを製造する事は出来る!!」
(;・∀・)(;´・ω・`)「ははーっ!!」
(#`∠´)「歩道によくある、木の根などで盛り上がったアスファルト。あれは駄目だ。アスファルトとも呼べん!
自転車で通るとき、すごいデコボコしてて通りづらいんだよ!! あの並木道!! 死ね!」
(;・∀・)(;´・ω・`)「へへーっ!!」
(`∠´)「俺がわざわざ生き永らえてまで伝えたかったのは、そういう事なのだ」
(;´・ω・`)「な、なに……」
(`∠´)「道行く人を気持ちよくほど整えられたアスファルト。
ショボン、お前には、それを製造する技術がある」
(´・ω・`)「……」
(`∠´)「お前は良い土方になる。
最期の相手として選んだんだ。ガッカリさせるんじゃないぞ」
(´・ω・`)「……はい」
57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2009/02/20(金) 21:39:09.54 ID:DZgJKhlz0
誤字です
×(`∠´)「道行く人を気持ちよくほど整えられたアスファルト。
ショボン、お前には、それを製造する技術がある」
○(`∠´)「道行く人を気持ちよくするほど整えられたアスファルト。
ショボン、お前には、それを製造する技術がある」
58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2009/02/20(金) 21:40:29.45 ID:A1/WQJvj0
いいぞ、もっとやれ
59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2009/02/20(金) 21:41:08.21 ID:DZgJKhlz0
(`∠´)「ふふ……。
おお!! あんな所にひび割れたアスファルトが!!
よーし、お前ら!! 早速舗装工事に入るぞ!!」
(´・ω・`)( ;∀;)「はい!」
(`∠´)「いくぞおおお!!!」
スコップを、思い切り持った。
(#`∠´)「うおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!」
右腕が、軽くなった。
60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2009/02/20(金) 21:43:07.51 ID:DZgJKhlz0
(;゚д゚)「ッ……!!」
そして視界に移ったのは、城壁を滑り落ちていく、スコップと舗装用改質アスファルト。
無残、そして、無情。
長き四十九年が、終わった。
(;`∠´)「……無念……」
ゆっくりと手を引かれるようにして、後ろへと、重心が傾いていく。
もう、どこにも力が入らない。
これが死の力なのか、と感じた。
誰の支えもなくやってきた、この人生。
悪いものではなかった。よくやった、と自分に言ってやりたかった。
しかし、もはや口にすら力が入らない。
アスファルトが光っていた。
今から、行ってやる。今度こそ、行ってやる。
待っていろ。
やはり、声にはならない。
61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2009/02/20(金) 21:45:46.99 ID:DZgJKhlz0
後ろへと倒れこむ自分の体を、アスファルトが支えてくれた。
涙が、溢れた。アスファルトも滲むほどに。
しかし、体に感じたのは、アスファルトの冷たさだった。
視界は一度暗くなり、そして、真っ白になった。
最後の言葉を言おうとしたが、やはりどうしても、声にはならなかった。
(`∠´)「アスファルトは用法、用量を守って正しく舗装してね!!」
第23話 終わり
~to be continued
63 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2009/02/20(金) 21:46:54.25 ID:hGCWClrt0
( ;∀;) イイハナシダナー
64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2009/02/20(金) 21:50:07.13 ID:L2e9Pk9O0
何でこの人はこんなにも詳しいんだwwww
65 名前:予告:2009/02/20(金) 22:02:43.16 ID:DZgJKhlz0
( ゚д゚)(……今はラウンジよりヴィップだな……)
ついに動く―――オオカミのカットバック・アスファルトこと、ミルナ=クォッチ―――!
《 ´_‥`》「ミルナ大将、また考え事ですか?」
| `゚ -゚|「軍議は行わないのですか、ミルナ大将」
――――そして、それを支える鉄壁の4乳剤――――
対するは――――
ショボンが、笑った。
(´・ω・`)「いい策だ。それでいこう」
(;・∀・)「ちょっと待って下さい! 本気ですか!?」
(´・ω・`)「あぁ、至って本気だ」
(;・∀・)「馬鹿げています! 失敗したら確実に……例え成功してもひび割れるかも知れないんですよ!?」
(´・ω・`)「それが舗装だろう、モララー」
ヴィップの舗装案とは? 4乳剤へのミルナの懸念とは?
激動のシャッフル城舗装戦が始まる――――!!
ブーンがアスファルトを武器に戦うようです 第二十四話 3009年、始動!!
66 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2009/02/20(金) 22:03:52.21 ID:kguTrKU+O
始動するの早過ぎワロタwwwww
67 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2009/02/20(金) 22:03:56.11 ID:JFiy5ygVO
千年後wwwwww
68 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2009/02/20(金) 22:04:05.04 ID:DZgJKhlz0
第23話は以上です、ありがとうございました
69 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2009/02/20(金) 22:05:03.79 ID:M3YfExMhO
10世紀後……だと…
70 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2009/02/20(金) 22:05:09.00 ID:dR+ThRHCO
このショボンは裏切りそうにねえwwwwwwwww
71 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2009/02/20(金) 22:06:50.77 ID:A1/WQJvj0
乙www何普通に投下しました的な態度なんだよwww
72 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2009/02/20(金) 22:08:49.67 ID:DFr4erSh0
乙
次回は3009年か、楽しみだ
73 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2009/02/20(金) 22:09:05.66 ID:jpZW1wLh0
しかし乙
74 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2009/02/20(金) 22:10:28.36 ID:JFiy5ygVO
乙www
75 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2009/02/20(金) 22:11:55.32 ID:dR+ThRHCO
おつ
1000年後の人まで語り継ぐよ
76 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2009/02/20(金) 22:17:34.76 ID:FWUxCMBIO
なんという良改変wwwwww
( ^ω^)ブーンがアスファルトを武器に戦うようです
http://www7.atpages.jp/~mesimarja/boon/exec/dat2html.php?dat=1235122988
関連作
( ^ω^)ブーンがアロンアルファを武器に戦うようです
http://lamigraine.blog.2nt.com/blog-entry-131.html
( ^ω^)ブーンがアルベロベッロ・ベロウ、んベロベロ!ようです
http://lamigraine.blog.2nt.com/blog-entry-133.html
( ^ω^)はアナルファベットを武器に戦うようです
http://lamigraine.blog.2nt.com/blog-entry-134.html